Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第14回:ブラウザ指紋と追跡の仕組み

Hello there, ('ω')ノ

🧬 「指紋」はネットにも存在する

VPNやTorを使ってIPアドレスを隠しても、まだ“あなた”が特定されてしまう方法があります。 その正体が「ブラウザ指紋(Browser Fingerprint)」です。

これは、あなたの使っているブラウザや端末の“個性”を組み合わせて識別する技術です。


🔍 ブラウザ指紋とは何か?

✔ 指紋の構成要素(一例):

  • 使用ブラウザの種類(Chrome、Firefox、Edgeなど)
  • OS(Windows、macOS、Linuxなど)
  • インストールされているフォントや言語設定
  • 画面サイズと解像度
  • JavaScriptの動作結果(WebGL、Canvasなど)
  • タイムゾーン、地域設定
  • 拡張機能やプラグインの有無

これらの“ちょっとした違い”の組み合わせで、あなたの環境はほぼ唯一の識別子になってしまいます。


📌 実際に指紋を確認してみよう

以下のサイトで、自分のブラウザ指紋がどれほど“ユニーク”かチェックできます。

「あなたの環境は何人中の1人」 といった形で表示され、どれだけ特定可能かが可視化されます。


🎯 追跡の仕組み

  1. Webサイトがアクセス時にブラウザ情報を読み取る
  2. IPアドレスがなくても、ユニークな環境情報で端末を識別
  3. 複数のWebサイトで同一の指紋が使われていれば、行動履歴を追跡可能
  4. 広告や分析サービスがこの情報を共有し、行動ターゲティングが可能に

結果:IPを変えても、調査者としての足跡がついてしまうということに。


🚨 OSINT調査におけるリスク

  • 同じ環境で複数の調査を行うと、“同じ人が調べている”と気づかれる
  • 調査用アカウントと本名アカウントのブラウザが同一環境なら、指紋で紐づけられる可能性がある
  • 一度でも“本名環境”と同じ指紋でアクセスすると、匿名性が破綻

🛡 匿名性を守るための対策

✅ 1. ブラウザの分離

  • 調査専用ブラウザ(Brave、Torなど)を使う
  • 本人のブラウザとは完全に使い分ける(プロファイル・設定・拡張機能も別に)

✅ 2. JavaScriptの制御

  • JavaScriptを無効化または制限(NoScript、uMatrixなどの拡張機能)
  • WebGLやCanvasの情報取得を防止するプラグインも有効

✅ 3. 仮想環境・OSの利用

  • 調査専用の仮想マシン(VMware、VirtualBox)を用意
  • Tails OSやWhonixなど、匿名性重視のOSで調査

✅ 4. ブラウザ指紋を「変化させる」

  • Braveブラウザの「指紋保護」機能を活用
  • Tor Browserでは毎回の起動で指紋が変わる設計になっている

✅ まとめ:「あなたの足跡は画面の向こうに残っている」

  • ブラウザ指紋は、ネット上の“デジタル顔写真”のようなもの
  • IPだけでなく、環境そのものを識別される時代
  • OSINT調査で本当の匿名性を維持するには、指紋対策も不可欠

Best regards, (^^ゞ