Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第11回:なぜOSINTで匿名が必要なのか

Hello there, ('ω')ノ

🕵️‍♂️ 匿名性は「防御」と「攻撃」を分ける境界線

OSINT(オープンソース・インテリジェンス)は、「公開情報」を使った調査なので、基本的には安全なはず。 でも実は、調査者自身が“誰か”を調べることでリスクを抱える場面も少なくありません。

今回は、OSINTにおいて匿名性が重要な理由を解説します。


🔒 匿名性が必要な理由:3つの視点から解説


① 相手に調査がバレると、証拠が消される

調査対象に「見られている」と気づかれたらどうなるか?

  • SNSアカウントを非公開にされる
  • 投稿が削除される
  • サイトが閉鎖される
  • 怪しまれて嘘の情報を発信される

つまり、“証拠隠滅”が始まるのです。

:候補者のSNSを調べようとして、会社の公式アカウントでアクセスしてしまい、相手が急にアカウントを削除…


② 自分自身の情報が“逆に調べられる”可能性

調査の過程で、うっかり個人アカウントや会社のIPアドレスを使うと、

  • アクセスログから「誰が見ているか」が判明
  • SNSアカウントから社名や実名がバレる
  • フォロー履歴や“いいね”から調査目的が察知される

最悪の場合、情報漏洩や炎上、内部通報対象になることも…。


③ 信頼性と中立性を保つため

OSINT調査は、“観察者の姿勢”が結果に影響します。

  • 自分の身元が見えることで、相手が意識的に反応を変える
  • その結果、得られる情報が偏る・ゆがむ
  • 客観的な分析ができなくなる

つまり、信頼できるインテリジェンス(知見)に仕上がらないのです。


🧤 匿名性を確保するための必須ポイント

対策項目 内容
VPNの使用 自分のIPをマスキング。TorやProtonVPNが有効
プライベートブラウザ BraveやTor BrowserでCookieや履歴を遮断
調査専用アカウント Sock Puppet(偽装人格)でSNSや連絡を行う
調査専用デバイス 自分のPCや社用端末とは別の環境を用意(VMでも可)
メールや電話も匿名で Gmail/Tutanota、仮想番号アプリで登録情報を分離

👤 Sock Puppet(ソックパペット)とは?

「調査用に作った架空の人物」=別人格のアカウントのこと。 以下のような設定が必要です:

  • 架空の名前(例:佐藤京子、John Tate)
  • AI生成の顔画像(ThisPersonDoesNotExist.com
  • 専用メール・SNSアカウント
  • 他アカウントとのリンクを避ける(同じ電話番号やIPを使わない)

ポイントは「リアルすぎず、怪しまれないこと」。作り込みすぎると逆に疑われます。


✅ まとめ:OSINTは“静かに見る”技術

  • OSINTでは、相手に**“調査されていること”を気づかせてはいけない**
  • 匿名性が失われると、証拠もチャンスも逃げてしまう
  • 安全な調査の第一歩は、「自分を守る環境をつくること」

Best regards, (^^ゞ