Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第28回:AIに「目的」を伝える最適なプロンプト設計法

Hello there, ('ω')ノ

ChatGPTを使ったことのある人なら、こんな経験があるかもしれません:

ちゃんとお願いしたのに、思ってたのと違う答えが返ってきた。

これは、AIに「何をしてほしいか」ではなく、「なぜそれをしてほしいのか」まで伝えきれていないケースによく起こります。

エージェント型AIにおいては特に、 「目的(Goal)」をしっかり理解させることが行動の精度・柔軟性を左右するのです。


🎯 なぜ「目的」が重要なのか?

従来のAIは、「命令」だけを理解して動いていました。 でも、エージェントAIは「考えて行動する」ため、

  • 目的を理解
  • 自分で手順を決め
  • 状況に応じて調整

といった**“自律的な判断”**を行います。

つまり、「どうやればいいか」ではなく、「なぜそれをするのか」がわかっていないと、最適な行動が取れません。


💡 目的を伝えるプロンプト設計の3原則

① ゴールベースで書く

「○○をすることが最終目的です」と明確に書く

✅ NG:「来週の会議予定を出して」

✅ OK:「目的は、来週のチーム会議をスムーズに進行できるよう、必要な準備と日程確認を行うことです」


② 制約条件も明示する

「これだけは守ってほしい」というルールをセットで伝える

✅ 例:

  • 会議は15時以降
  • 参加者は全員出席可能が前提
  • 会議時間は30分以内

→ AIが判断に迷わないよう、「行動のルール」を明示します。


③ 判断の軸を言語化する

「どちらがよいか迷う場合は、○○を優先してください」と伝える

✅ 例: 「時間と参加率が両立しない場合は、参加率を優先してください」

このように“判断の優先軸”を伝えることで、 AIは自律的に行動を調整できます。


📘 実践テンプレート:目的ベースプロンプト

# 目的
来週のプロジェクト定例会を全員が参加できる形で設定する

# 条件
- 月〜金のうちで1日
- 15:00以降で30分枠
- 会議室の空きが必要

# 優先事項
- 出席者の参加率を最優先
- 会議室が空いていない場合はリスケ案を出す

# 出力形式
テーブルで「日時・参加率・会議室可否」を出してください

🧠 なぜプロンプトに“目的”を含めるとAIの精度が上がるのか?

AIの動作 目的なし 目的あり
ゴール理解 指示の内容だけを表面的に処理 背景に応じた手順を柔軟に組み立てる
エラー対応 指示に従うが想定外に弱い ゴールに戻って判断し直せる
判断基準 曖昧なときに停止 or 誤判断 優先事項に基づいて再調整できる

✍️ まとめ

  • エージェントAIにとって、「目的」は単なる情報ではなく“行動の方針”そのもの
  • プロンプト設計では「何をしてほしいか」よりも「なぜそれが必要か」を明確に伝える
  • 条件・制約・判断軸まで含めて伝えると、AIの動きが格段に賢くなる

Best regards, (^^ゞ