Hello there, ('ω')ノ
人間の職場でも、効率よく仕事を回すためには「誰が何をやるか」の分担が重要です。 同じように、AIエージェントたちもチームで動くときには「タスク分担の仕組み」が必要になります。
そこで登場するのが、CWDモデル(Collaborative Working Distribution)です。
これは、AI同士が「この作業は自分がやる」「次はあなたがやって」といった分担を、自律的に決め合って進めるためのモデルです。
🤝 CWDモデルとは?
Collaborative Working Distribution(協調的作業分担)モデル 複数のAIエージェントが、1つの目標に向かって「役割分担しながら協調的に作業を進める」枠組み
CWDでは、AIが単独でタスクを完了するのではなく、 他のAIと“チームを組んで”段階的に作業を進めます。
📦 どんな構造になっているの?
CWDモデルの全体像を、ざっくりと以下の3つのフェーズで捉えることができます。
① 分解(Decomposition)
まず、1つの大きな目標(例:出張準備)を、複数のサブタスクに分ける
例:
- フライト予約
- ホテル手配
- 日程調整
- 報告レポート作成
② 割り当て(Distribution)
次に、それぞれのタスクを「得意なエージェントに割り当てる」 (スキルベース or ランダム or 会話による調整)
③ 実行と連携(Collaboration)
最後に、各エージェントがタスクを自律的に実行しつつ、互いに情報共有しながら連携
🧠 CWDモデルの強み
特徴 | 説明 |
---|---|
✅ 分業による効率化 | 複数のタスクを同時並行で処理できる |
✅ 専門性の活用 | 各エージェントに得意分野を設定できる(例:分析専門、執筆専門など) |
✅ 柔軟なタスク再割り当て | 誰かが失敗したとき、別のエージェントが引き継げる |
✅ 拡張性が高い | 新しいメンバー(AI)を追加しやすい設計 |
🧪 具体例:出張レポートを作るAIチーム
【目的】出張のレポートを作成 ┌────────────┐ │ 🎫 フライト手配AI │ ← 航空便を検索・予約 └────────────┘ ↓ ┌────────────┐ │ 🏨 ホテル予約AI │ ← 会議場近くの宿を手配 └────────────┘ ↓ ┌────────────┐ │ 📋 レポート作成AI │ ← 旅程情報を元に報告書を作成 └────────────┘ ↓ ┌────────────┐ │ 📧 通知AI(成果報告) │ ← 管理者にメール送信 └────────────┘
このように、タスクを役割ごとに分けてエージェントが担当し合うことで、 人間のチームと同じように「協力して仕事をこなす」ことが可能になります。
⚠️ CWDモデル設計時の注意点
注意点 | 解説 |
---|---|
タスク分割が粗すぎる | エージェントが困惑して連携できなくなる |
情報の受け渡し設計不足 | データの引き継ぎができず、エラーになる |
責任の曖昧化 | 「誰がどこまでやるか」が明確でないと全体が止まる |
→ 解決策として、役割定義・入力出力設計・完了条件をあらかじめ明文化しておくことが重要です。
✅ CrewAIやAutoGenとの関係
CWDモデルは、以下のようなフレームワークの基本思想にもなっています:
フレームワーク | CWDとの関係 |
---|---|
CrewAI | エージェントに「役割」と「タスク」を割り当てて連携させる設計そのもの |
AutoGen | 会話を通じてタスク分担を交渉・再調整できる=動的なCWD |
LangGraph | 状態と遷移を活用して、連携プロセスを制御可能にする設計支援ツール |
✍️ まとめ
- CWDモデルとは、複数エージェントが協力しながら仕事を分担する設計手法
- 「分解→割り当て→連携」の3段階で機能する
- 分業により処理効率・柔軟性が高まり、実用化しやすいチーム型AIが実現できる
- 重要なのは、明確な役割設計と情報の受け渡し
Best regards, (^^ゞ