Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第24回:ツールと計画の統合設計を成功させるコツ

Hello there, ('ω')ノ

エージェント型AIは「考えて動く」存在です。 しかし、“動く”とは実際にはツールを使って計画通りに作業をこなすことを意味します。

つまり、「使うツール」+「やるべき手順」=統合設計が重要になります。 今回は、この「ツール」と「計画(プラン)」をどうつなげると実務で機能するか、その設計のポイントをお伝えします。


🧩 統合設計とは?

AIエージェントが“何を・いつ・どのツールで・どう実行するか”を、計画として設計すること

簡単に言えば、

  • ツールが使えるようになっていても
  • AIが「どういう場面でそれを使うか」を理解していなければ

…結局「動かない」わけです。

この両者を結びつけるのが統合設計です。


✅ 成功させるための5つのコツ

① 「ツールに使える情報」を設計段階から想定する

AIが外部ツール(APIなど)を使うには、「引き渡すデータ」が必要です。 そこで最初から、「AIが必要とする情報は何か?」を洗い出しておきます。

🔍 例:

  • カレンダー登録 → 日付・時間・イベント名・参加者
  • チケット購入 → 出発地・到着地・日時・人数・予算

対話設計や入力フォームにこの情報を含める工夫が必要です。


② 「プランニング」の単位を明確に分ける

AIにとって、1つの大きな目標をいきなり達成するのは難しい。 そこで、1タスク=1目的=1ツール処理になるように設計します。

例:

出張予約エージェントの分解:

  1. フライト検索(外部API使用)
  2. ホテル検索(別API)
  3. 予算チェック(社内ルール)
  4. 予約実行(条件満たせば)

各段階を独立して設計することで、処理の安定性が向上します。


③ 「成功条件」を明文化する

AIが「これは完了」と判断するためには、成功の条件が必要です。

🔧 例:

  • フライトが選ばれた → ✅ 選択完了
  • 候補が3つ提示された → ✅ 検索成功
  • APIがステータス200を返した → ✅ 実行成功

→ これを決めておかないと、AIが“うやむや”のまま進んでしまいます。


④ ツールの「失敗パターン」も設計に入れる

現実世界では、ツールが失敗することもあります。

  • APIが落ちる
  • 候補が見つからない
  • 不正なデータを渡した

→ これらに対して**「再試行する/他の方法を試す/人に聞く」**などの「プランB」を用意しましょう。


⑤ 状態の“見える化”を忘れない

AIが今「どこまでやったか」「次に何をするか」を記録し続けるように設計しましょう。

🧠 例:

  • 現在の状態:ホテル検索中
  • 次の状態:フライト検索予定
  • 成果物:ホテル候補3件、評価付き

→ これにより、「途中から再開する」「人が途中確認する」ことも可能になります。


🧠 図解イメージ:統合設計の考え方(テキスト図)

[ユーザーの依頼]
 ↓
【プランニング】
 ├─ ステップ1:必要な情報を収集
 ├─ ステップ2:ツールAで実行(成功条件つき)
 ├─ ステップ3:結果を評価・記録
 └─ ステップ4:次のタスクへ移行
   ↓
【状態と進捗を管理】
   ↓
[完了 or エラー処理に分岐]

✍️ まとめ

  • エージェントAIを業務で“ちゃんと動かす”には「ツール」と「計画」の統合設計が不可欠
  • 情報の設計、タスクの粒度、成功・失敗条件、状態管理が成功のカギ
  • 現場で使えるAIにするには、“計画的に動くための構造”が必要

Best regards, (^^ゞ