Shikata Ga Nai

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第12回:セマンティックネットワークとフレーム表現とは?

Hello there, ('ω')ノ

前回は、AIにとっての「知識」とは何か?というテーマを扱いました。 今回はその続きとして、「その知識をどうやって表現するのか?」という技術的な土台を掘り下げていきます。

登場するのは2つのキーワード:

  • 🕸️ セマンティックネットワーク(Semantic Network)
  • 🧩 フレーム表現(Frame Representation)

この2つは、AIエージェントが「意味を理解し、行動を決める」ための“知識の設計図”のようなものです。


🕸️ セマンティックネットワークとは?

▶ 定義:

概念(言葉)同士の“関係”をつなげたネットワーク構造で、意味のつながりを表現する方法

簡単に言えば、「○○は△△である」「○○は□□を使う」など、 “意味のあるつながり”を線でつなげた図です。

📷 イメージ図(テキストで表現)

[猫] ──は──▶ [動物]  
[猫] ──食べる──▶ [魚]  
[魚] ──は──▶ [生き物]

このように、**概念(ノード)と関係性(リンク)**をつないで、知識の構造を表現します。


✅ セマンティックネットの強み:

特徴 内容
🔍 意味の類似性がわかる 「猫」と「動物」の距離感が測れる
🔁 推論に使える 例:「猫」→「動物」→「生きている」→「餌が必要」など
🔎 ナビゲーションが得意 関連知識をたどりながら情報を拡張できる

🧠 AIにとっての使い道: 質問応答、意味検索、関連ワード展開などで活用されます。


🧩 フレーム表現とは?

▶ 定義:

特定の概念や出来事に関する情報を、属性(項目)ごとに整理した枠組みで表す方法

例えるなら、「データベースの1行」や「記入済みの申込書」のようなイメージです。


📄 フレームの例:ホテル予約

Frame: ホテル予約  
├─ 場所: 東京  
├─ 日付: 2025年5月10日  
├─ 宿泊数: 1泊  
├─ 予算: 15,000円  
├─ 利用者: ビジネス出張

このように、特定の文脈に関連する情報を“まとめて持つ”構造です。


✅ フレーム表現の強み:

特徴 内容
🧩 文脈の理解に強い 「これは旅行の話」「これは医療の話」などの識別ができる
🔧 情報の埋め合わせができる 「場所」や「日付」が抜けていたら質問して補完可能
🤝 会話との相性が良い チャット形式の対話で柔軟に使える構造

🧠 AIにとっての使い道: タスク管理、スロットフィリング(情報の穴埋め)、業務処理の自動化などで使われます。


🧠 セマンティックネットとフレームの違い(比較表)

項目 セマンティックネット フレーム表現
構造 概念同士のネットワーク 属性と値のまとまり
主な用途 意味検索・推論・関連づけ 状況把握・対話・知識の整理
柔軟性 高い(概念が増やしやすい) 中(定型の枠に沿って追加)
代表的な使い方 意味検索AI、ナレッジグラフ チャットボット、業務支援AI

🛠 どちらを使うべきか?

  • 情報間の関係性を活かしたいとき → セマンティックネット
  • 具体的な状況を整理・管理したいとき → フレーム表現

そして多くの実用AIでは、両者を組み合わせて使うことが主流です。


✍️ まとめ

  • セマンティックネットは「言葉のつながりを表す地図」
  • フレーム表現は「特定の状況を整理する情報シート」
  • どちらもエージェントAIの“意味理解”に欠かせない知識の土台
  • 実務に応じて適切な使い分けや組み合わせが重要

Best regards, (^^ゞ