Hello there, ('ω')ノ
私たち人間は「知識がある人」「物知りな人」と聞くと、「色々なことを覚えている」「経験が豊富」というイメージを持ちます。
では、AIに対しても「このAI、知識があるなぁ」と感じる場面がありますよね。 でもその「知識」とは、いったい何なのでしょう?
🧠 そもそも「知識」とは何か?
AIの世界では、知識は次のように定義されます。
知識とは、世界や対象についての「意味ある情報」や「関係性の理解」を形式化したもの
つまり、単なる情報の羅列ではなく、 「どういう事実が、どうつながっているのか」を構造として持っていることがポイントです。
🧾 AIにおける「知識」の3つの形
種類 | 内容 | 例 |
---|---|---|
✅ 宣言的知識 | 「◯◯は◯◯である」という事実 | 東京は日本の首都である |
✅ 手続き的知識 | 「◯◯するにはどうするか」という方法 | コーヒーの淹れ方 |
✅ 条件付き知識 | 「もし◯◯なら、◯◯せよ」というルール | 雨が降ったら傘を持っていく |
これらの知識を**どう構造化して保持するか?**が、AIの「知識の設計」になります。
🤖 GPT型AIの「知識」はどうなっているのか?
ChatGPTなどの生成AIは、「知識を文章として記憶している」のではありません。 彼らは、大量の文章データから「次に来そうな言葉のパターン」を統計的に学習しています。
💬 たとえば:
「イチゴは…」と入力すると、 → 「赤い」「果物」「甘い」などが高確率で続くと予測される。
これはいわば、「知識のように見える言語パターン」であり、 意味を理解しているわけではないのです。
🧩 エージェント型AIでは「知識」はどう扱う?
エージェントAIにとっての知識は、“行動の根拠”になります。 つまり「どうしてその判断をしたのか?」の理由になるものです。
✅ 知識ベース(Knowledge Base)を活用する
多くのエージェントシステムでは、 知識をデータベース的に構造化して管理します。
例:旅行アシスタントの知識
種別 | 内容例 |
---|---|
地理知識 | 東京駅 ⇔ 羽田空港は30分 |
価格知識 | 通常期のホテル料金は1泊1万円前後 |
ビジネスマナー | 初対面の相手には敬語を使う |
このような「状況判断に役立つ知識」を持っているからこそ、 AIが“それらしい”判断を下せるのです。
🧠 知識の表現方法(人間には見えない内部構造)
エージェント型AIでは、知識は**意味を持った「構造データ」**として記録されます。
表現方法 | 説明 | 例 |
---|---|---|
セマンティックネット | 概念同士の関係をネットワークで表現 | 「猫→は→動物」「猫→食べる→魚」 |
フレーム(枠組み)表現 | ある状況に関する属性をひとまとまりで定義 | 「ホテル」→ 住所、料金、評価など |
条件ルール | ルールベースの判断 | 「IF 予算<50000 THEN 安ホテルを選ぶ」 |
こうした構造があるからこそ、AIは「考える」だけでなく、「説明できる」ようにもなります。
⚠️ 単なる情報と“知識”は違う
単なる情報 | 知識 |
---|---|
バラバラのデータの集まり | 関係性があり意味が通る |
整理されていない | 構造的に管理されている |
判断に使えないこともある | 行動や意思決定の材料になる |
✍️ まとめ
- AIにとっての「知識」は、意味のある情報とそのつながりのこと
- GPT型AIは、文章パターンから“知識っぽく見える”出力をしている
- エージェント型AIでは、知識は「判断の根拠」として構造的に管理されている
- 「知っている」と「使える」は別。行動するAIには“使える知識”が不可欠
Best regards, (^^ゞ