Hello there, ('ω')ノ
「この質問、GPT-4じゃなくてもいいのでは…?」
RAG(検索拡張型生成)やAIエージェントを構築していると、
こんな疑問がわいてきませんか?
- 「ちょっとした処理に毎回GPT-4を使うのはコストがもったいない…」
- 「画像処理ならGeminiのほうが得意かも」
- 「出力の安定性はClaudeのほうが高い気がする」
実は、こうしたニーズに応えるのが、LangChainによる「LLMの使い分け」設計です!
💡 複数のLLMを使うと何がうれしいの?
メリット | 内容 |
---|---|
✅ コスト最適化 | 高精度が必要な処理だけGPT-4、他はGPT-3.5やClaudeを使う |
✅ 得意分野の使い分け | 画像 → Gemini、要約 → Claude、長文処理 → GPT-4 Turbo など |
✅ 障害回避 | API制限や障害時にも「代替モデル」に自動切り替えが可能 |
✅ パフォーマンスチューニング | レスポンス時間・安定性・生成スタイルを使い分けて最適化 |
🧠 具体的にはどう使い分ける?
📌 用途別 LLM の得意分野マップ(2024年現在の傾向)
処理 | おすすめモデル | 理由 |
---|---|---|
高精度な要約 | Claude 2 / 3 | 文脈保持と簡潔表現に強い |
大量のデータ処理 | GPT-4 Turbo | コンテキストウィンドウが最大級 |
コスパ重視の応答 | GPT-3.5 | 基本的な応答ならこれで十分 |
表・図・画像の理解 | Gemini Pro Vision | マルチモーダルに強い |
会話の一貫性 | Claude | 長い対話の流れを保ちやすい |
🛠 LangChainで複数LLMを使い分ける方法
LangChainでは、複数のLLMを条件付きで切り替える設計が可能です。
✅ 方法①:目的に応じて明示的に分岐
from langchain.chat_models import ChatOpenAI, ChatAnthropic gpt4 = ChatOpenAI(model_name="gpt-4") claude = ChatAnthropic(model_name="claude-2") def select_llm(task_type): if task_type == "要約": return claude elif task_type == "分析": return gpt4
➡ タスクに応じて適切なモデルを選ぶロジックを組み込めます。
✅ 方法②:ルーター(RouterChain)で自動選択
LangChainのRouterChain
を使えば、入力内容に応じて自動でLLMを振り分けることも可能です。
from langchain.chains.router import MultiPromptChain router_chain = MultiPromptChain.from_prompts({ "画像説明": gemini_prompt, "テキスト要約": claude_prompt, "その他": gpt4_prompt }, default_chain=gpt35_chain)
➡ ルールベースでもLLM選定を自動化できます!
✅ 方法③:冗長化(フェイルオーバー)も可能
try: response = gpt4_chain.run(input) except Exception: response = claude_chain.run(input) # 代替モデルで再実行
➡ API障害時でも、システムが止まらない設計が可能です。
🧪 運用上の注意点
注意点 | 解説 |
---|---|
レスポンスの形式が異なる | 各モデルで出力形式や構文が微妙に違うので、事前に正規化処理を用意する |
同じプロンプトでも出力がブレる | モデルごとにプロンプトを最適化(チューニング)しておく |
利用コストの管理 | 複数モデルのAPI使用量を個別にモニタリングする仕組みが必要 |
デバッグが複雑になる | ログに「どのモデルが使われたか」を記録しておくことが大切 |
🎯 使い分けパターンの設計例(実務向け)
タスク | 使用LLM | 理由 |
---|---|---|
社内FAQ応答(基本) | GPT-3.5 | コストと速度を優先 |
複雑な社内規定の要約 | Claude 2 | 簡潔さと正確さのバランスが良い |
商品マニュアルの読み取り | GPT-4 Turbo | 大容量コンテキストに対応 |
PDF内の図・表の理解 | Gemini Pro Vision | 画像対応モデルで構成分析が可能 |
✅ まとめ:LLMを選ぶ力が、RAG活用の“差”をつくる!
- LLMは「どれか1つ」ではなく、用途に応じて組み合わせる時代へ
- LangChainを使えば、LLMの切り替え・併用・自動化も簡単に実装可能
- コスト・精度・パフォーマンスの最適解を追求するには、LLMの特性を活かした設計がカギ!
Best regards, (^^ゞ