Hello there, ('ω')ノ
「RAG、作ってはみたけど…これってうまくいってるの?」
RAG(検索拡張型生成)を社内に導入したものの、
- 回答の質は十分?
- 利用者の満足度はどう?
- 業務改善に貢献しているのか?
…といった「使ってみた結果の評価」をあまり行わないケース、実は多いんです。
しかしRAGは、“作って終わり”ではなく、継続的に育てていく仕組み。
そのためには、評価(評価指標・方法)を明確に持つことがとても重要です。
✅ なぜRAGの評価が必要なのか?
理由 | 内容 |
---|---|
継続的な改善のため | どこがよかったか、どこが課題かを把握できる |
投資対効果の見える化 | コストに見合う成果が出ているかを判断する材料に |
利用拡大の説得材料 | 他部門展開や本番導入の際に「実績」として使える |
誤答やリスクの早期発見 | ハルシネーションや誤情報を可視化できる |
📌 「とりあえず動く」から「業務で信頼して使える」へのステップアップに欠かせません。
🎯 評価の観点は主に3つ!
① 検索の正確性(Retrieval Evaluation)
指標 | 内容 |
---|---|
Recall(再現率) | 正しい文書がどれだけ検索されているか |
Precision(適合率) | 関係ない文書が混ざっていないか |
検索チャンクの妥当性 | 本当に回答に必要な情報だけを引けているか? |
🔍 検索精度が低いと、生成AIに渡す情報そのものが間違っていることになります。
② 生成の品質(Generation Evaluation)
指標 | 内容 |
---|---|
内容の正確性 | 出典に基づいた回答になっているか |
読みやすさ・自然さ | 表現がわかりやすく丁寧か |
出典表示の有無 | 情報の裏付けが明記されているか |
ハルシネーション率 | “それっぽいけど間違い”の発生頻度 |
📌 生成結果の「伝え方」や「根拠表示」は、実務で使えるかどうかの決定要因になります。
③ ユーザー体験・業務効果(UX / Impact)
指標 | 内容 |
---|---|
回答までの時間短縮 | 従来業務と比べてどれくらい時間が減ったか |
使いやすさ | UI・操作性にストレスがないか |
再利用率 | 何度も使いたいと思えるか?(継続利用) |
満足度アンケート | 「役に立った」と感じるか?(主観的評価) |
📌 数値だけでなく、“使う人の実感”も非常に大切な評価軸です。
🛠 実際の評価のやり方(ステップ形式)
✅ Step 1:質問セットを用意(10〜30件程度)
- 実際の業務で使いそうな質問
- あえて曖昧・難しい質問も混ぜておくと精度チェックに◎
✅ Step 2:RAGで回答させる
- 出典表示あり/なしの両方をテストして比較
- 回答ごとにログを残す(内容・出典・時間など)
✅ Step 3:人による評価を実施(3人以上推奨)
評価項目 | 5段階 or ○× |
---|---|
回答の正確性 | 出典と一致しているか?誤解がないか? |
表現のわかりやすさ | 初心者でも理解できるか? |
出典の信頼性 | 情報源として妥当か? |
質問と回答の合致度 | 聞いた内容に答えているか? |
➡ ExcelシートやGoogleフォームを使って簡単に記録できます。
✅ Step 4:ユーザーからのフィードバック収集
- 「どこで役に立ったか?」
- 「改善してほしい点は?」
- 「今後どんな質問に答えてほしいか?」
➡ 利用者の声=今後の改善素材そのもの!
📋 評価結果をまとめるときのポイント
項目 | 例 |
---|---|
検索精度 | 正答率80%、関係ない文書の混入10% |
生成品質 | 回答満足度4.2/5点中 |
UX指標 | 平均回答時間15秒(従来は3分) |
利用意向 | 「継続して使いたい」回答者92% |
📌 定量・定性の両面で示すことで、社内報告・展開にも説得力が生まれます!
まとめ:「評価すること」がRAG活用の第一歩になる
- RAGは“仕組みを作って終わり”ではなく、使い続けて育てる仕組み
- 検索・生成・UXの3視点で評価すると、課題と強みが明確になる
- 小規模PoCでも、評価設計を入れておくことで、本番導入に向けた確かな一歩に!
Best regards, (^^ゞ