Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第40回:「ソース表示」機能で安心感をプラスしよう

Hello there, ('ω')ノ

AIが答える時代だからこそ「根拠」が大事!

ChatGPTなどの生成AIを使った社内業務では、
「それっぽい答えだけど、どこから来た情報?」
「誰が言ってるの?根拠は?」
といった疑問がつきものです。

だからこそ、RAG(検索拡張型生成)を導入する際は、「ソース表示(出典の明示)」がとても重要になります。

この記事では、出典付きでAIが回答できる仕組みと、それがもたらす安心感・信頼性アップのポイントをわかりやすく解説します。


💡 ソース表示とは?

✅ 回答の中に「この情報は◯◯という文書のどこに書かれているか」が明記される仕組みのこと。

たとえば、こんな感じです:


質問:「有給休暇の繰り越し期限はいつまでですか?」
AIの回答:「有給休暇の繰り越し期限は、付与日から2年間です。」
出典:「就業規則_2023年版/第5章『休暇制度』 p.12」


この「出典付き」だけで、
✅ 情報の信頼性が格段に上がる
✅ 内容の確認や社内展開がしやすくなる
✅ 「間違っていたらどこを直せばいいか」も明確になる

というメリットが得られます。


🎯 なぜソース表示が必要なの?

課題 ソース表示での解決
誤った情報を鵜呑みにしてしまう 「本当にそう書いてあるか?」を確認できる
回答の裏付けが取れない 会議や報告でも“出典あり”で堂々と使える
情報のメンテナンスが困難 ソースが分かれば「どの文書を更新すべきか」が分かる
利用者が不安を感じる 出典のあるAIは“信頼できるパートナー”になる

🧩 ソース表示を実現するRAGの仕組み

RAGでは、文書を「チャンク(意味のかたまり)」に分けて検索対象にします。
このとき、各チャンクに出典情報(メタデータ)をつけておくことで、
AIの出力にそのまま出典を添えることができるのです。


具体的な構成要素

要素 内容
チャンク 「1項目・1話題ごと」に分割された文書の一部
メタデータ ファイル名、章タイトル、ページ番号、作成日など
プロンプト 「出典情報を必ず表示してください」と明記する
出力形式 回答末尾や脚注に出典を添える形式にする

✏️ プロンプト例:出典付き回答を促す指示

以下の情報を参考に、質問に対する回答を簡潔に作成してください。  
回答の末尾に、参照した文書名・章・ページなどの出典を明記してください。  
該当情報がなければ「情報が見つかりませんでした」と答えてください。

📌 ソース表示を取り入れる設計のポイント

設計ポイント 工夫
チャンクごとに出典を埋め込む 文書分割の段階で「どの文書の、どの位置か」を必ず記録する
複数チャンクを扱うときは整理して表示 「この回答は、次の2つの資料を参考にしました」など明示
出典の形式を統一する 文書名+章番号+日付 など、ルールを決めて見やすくする
UIにも出典を表示する チャット画面やツール上に「参照元」ラベルをつける

🧠 ソース表示があることで得られる“安心感”

ユーザーの声 ソース表示があると…
「答えが合ってるか不安」 根拠が見えるので安心して使える
「どうせAIでしょ?」 信頼性があるAIとして認識される
「どこを修正すれば?」 出典を見れば該当文書を直せる
「説得材料に使えない」 出典付きなら報告資料にも使いやすい

まとめ:ソース表示は“業務で使えるAI”の第一条件!

  • ソース表示があれば、「誰が読んでも納得できるAI回答」が実現
  • メタデータ+プロンプト+出力形式を工夫することで簡単に実装可能
  • 情報の根拠が見えるAIは、信頼され、繰り返し使われるようになる
  • 社内展開・マネジメント報告・教育用途にも最適!

Best regards, (^^ゞ