Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第28回:FAQの自動生成と対応精度向上の工夫

Hello there, ('ω')ノ

同じ質問、何度も来ていませんか?

「パスワードを忘れました」
「出張の交通費ってどこまで出るんですか?」
「名刺の再発行ってどうやるの?」

こうしたよくある社内質問(FAQ)は、手間のわりに回答が単調。
しかも、情報はマニュアルやポータルにすでに載っていることが多いですよね。

そこで活用したいのが、RAG(検索拡張型生成)を使ったFAQ対応の自動化と、
AIによるFAQの“自動生成”です。


💡 なぜRAGでFAQを自動化できるの?

RAGは、「意味で検索して、自然に答える」という特性を持っています。

つまり──

  1. 質問の言い回しが変わっても、意味で理解してくれる
  2. 回答はマニュアルや規程から自動で引っ張ってきてくれる
  3. 書き方も丁寧に整えてくれる(プロンプト次第で口調も自由)

📌 すでにある情報を活かして、問合せ対応をAIに任せることができるわけです!


🧠 FAQの“自動生成”とは?

FAQの自動生成とは、たとえば次のようなことです:

  • 膨大なマニュアルや社内規程をAIに読み込ませ
  • その中から「よくある質問になりそうな箇所」をピックアップし
  • 質問+回答形式に自動で変換する

✅ 実際のプロンプト例:

以下の文書内容から、社員がよく聞きそうな質問を3つ考えてください。
それぞれに対して、簡潔でやさしい回答をつけてください。

📌 このようにして、「想定FAQの素案」をAIに出させることが可能です!


✨ 自動生成のメリット

項目 メリット
⏱ スピード 何十ページの文書でも数十秒でFAQに変換可能
🧠 網羅性 人が気づかない“聞かれそうなこと”まで拾ってくれる
🎯 一貫性 回答の口調や内容をテンプレで統一できる
🔁 メンテ性 文書が更新されたらFAQも再生成すればOK!

🎯 精度の高いFAQ対応のために工夫したいポイント


① 質問パターンを広くカバーする

同じ内容でも、質問の仕方は人それぞれ:

  • 「有給って何日前に申請するの?」
  • 「休みっていつまでに申請すればいいの?」
  • 「休暇の申請期限教えて」

意味は同じでも、表現が違う質問に対応できるようにするために、
「質問バリエーションの収集」や「ベクトル検索の活用」が重要です。


② 回答文のルール化(テンプレート活用)

回答の「ばらつき」をなくすために、プロンプトに以下のようなルールを設定:

  • 文体:社内向けに丁寧でわかりやすく
  • 長さ:200〜300文字以内
  • 構成:「結論 → 補足 → 出典」の順に
  • 出典:どこに書かれているかを明示(例:人事マニュアル 第3章)

③ メタデータの設計

各チャンク(文書のかけら)に「どの文書のどこか」がわかる出典情報(メタデータ)をつけておけば、
AIは「出典付きで回答する」ことができます。


④ 社員の声を拾って改善

PoCの段階では、社員からの実際の質問ログを集めて──

  • 検索できなかった質問
  • 意図と違った答えが返ってきた質問
  • 表現が分かりにくかった回答

などをレビューし、FAQセットやプロンプト設計を改善していくことが大切です。


📋 FAQ対応自動化の進め方(5ステップ)

  1. 対象部門・対象テーマを絞る(例:人事、IT、経理)
  2. 関連マニュアルやFAQを収集し、チャンク化+ベクトル化
  3. 既存の問い合わせ履歴から質問パターンを抽出
  4. AIにFAQを自動生成させてレビュー・修正
  5. テスト運用でフィードバックを集めながら改善

💬 RAGによるFAQ自動対応の理想形

ユーザー:「休暇の取り方ってどうするんだっけ?」

→ AIの回答:
「有給休暇の申請は、原則3営業日前までにSmartHRから手続きを行ってください。
出典:人事マニュアル 第4章『休暇申請の流れ』」

✅ 回答の一貫性
✅ 情報の正確性
✅ 出典の明示

➡ 人が対応するよりも速く、かつ根拠が明確!


まとめ:FAQ業務はAIと相性抜群。自動化でラクになる!

  • RAGを活用すれば、既存文書からAIがFAQとして答えてくれるようになる
  • AIに「FAQそのもの」を作らせることもできる(自動生成)
  • 精度を上げるには、質問の言い回しと回答テンプレの工夫がポイント
  • 社員からのフィードバックで継続的に育てていくことが成功のカギ

Best regards, (^^ゞ