Hello there, ('ω')ノ
「RAGを試してみたけど、うまく動かない…」
RAG(検索拡張型生成)を自分で作ってみたり、PoC(試験導入)を始めてみると、
最初にぶつかるのが 「思った通りに動かない」「回答がズレる」といった問題です。
でも安心してください。
こうした不具合や違和感の多くは、よくある“設計ミス”や“初期設定のズレ”が原因なんです。
今回は、RAGにありがちなトラブルをケース別に整理して、すぐに実務に役立つ「対処法」と一緒にご紹介します!
🧩 エラーあるある①:ぜんぜん関係ない回答が返ってくる
✅ よくある原因:
- 関係ない情報を含むチャンクが検索されている
- チャンクが長すぎて、文脈が分散している
- プロンプトが曖昧で、AIが誤解している
💡 対処法:
- チャンクの分割粒度を見直す(1,000トークン以下が目安)
- 「この情報をもとにだけ答えてください」とプロンプトで明示
- 意味的に近いが無関係な情報が混じっていないか確認
🧩 エラーあるある②:「そんなこと言ってないよ?」という回答
✅ よくある原因:
- AIが社内情報ではなく“自分の知識”で補完してしまっている
- プロンプトで「出典にないことは答えない」と指示していない
💡 対処法:
- プロンプトに以下のような条件を追加:
参照情報に記載がない場合は、「わかりません」と答えてください。 憶測や一般知識は使わないでください。
- LangChainやLlamaIndexで「strict mode(厳密回答モード)」の設定を検討
🧩 エラーあるある③:出典がつかない・間違っている
✅ よくある原因:
- 出典情報(メタデータ)がチャンクに紐づいていない
- 出典付き回答を求めるプロンプトになっていない
💡 対処法:
- チャンク化の際に「ファイル名」「見出し」などのメタデータを必ず保持する
- 回答時に以下のような出典指定を促すプロンプトを使用:
回答の末尾に、出典情報(文書名・セクション名)を明記してください。
🧩 エラーあるある④:質問に対して「それっぽいけどズレてる」回答
✅ よくある原因:
- 質問文と検索対象のチャンクが微妙にずれている
- 質問文があいまい or 長すぎる
- ベクトル検索だけでなくキーワードも活かした方がいい
💡 対処法:
- 質問内容をできるだけ具体的に(「いつ」「誰が」「何を」)
- ハイブリッド検索(ベクトル+キーワード)の導入を検討
- ChatGPTなどを使って、質問文そのものを最適化する前処理を入れる
🧩 エラーあるある⑤:RAGが遅い/止まる
✅ よくある原因:
- ベクトルデータベースの件数が多すぎて検索に時間がかかっている
- コンテキストウィンドウを超えてしまい、処理が途中で中断している
💡 対処法:
- チャンク数やトークン量を制限する(上位3~5件など)
- 長文回答を避ける or 要約して渡すことでウィンドウを節約
- 使用しているLLM(GPT-4など)のトークン上限を再確認!
🧩 エラーあるある⑥:内容は合っているけど表現が不自然
✅ よくある原因:
- 出力の口調や文体を指定していない
- 対象読者があいまい
💡 対処法:
- プロンプトテンプレートで「口調・読者・出力形式」を固定化する(例:非エンジニア向けに、やさしい言葉で、箇条書きで)
🔧 RAGエラー対処の“3原則”
原則 | 内容 |
---|---|
📦 入れる情報を整える | データの分割・構成・表記揺れに注意 |
🎯 指示を明確に出す | プロンプトでルールや制約をはっきり伝える |
🧪 テストと調整を重ねる | 小さく試して改善 → より正確な回答へ |
📝 トラブルシュートに便利なチェックリスト
- [ ] チャンクは適切な長さに分割されているか?
- [ ] チャンクに出典やメタ情報が含まれているか?
- [ ] プロンプトに制約条件が書かれているか?
- [ ] 回答がAIの独断になっていないか?
- [ ] コンテキストウィンドウの制限を超えていないか?
まとめ:エラーは「AIのせい」じゃなく「設計のヒント」
- 回答のブレや不具合は、チャンク・検索・プロンプトの設計を見直せば改善可能
- よくある失敗パターンを知っておくことで、対応がグッと楽になる
- エラーの背後には「RAGの仕組み」がそのまま現れている
- 小さなエラー改善の積み重ねが、信頼性の高い社内AIへとつながる!
Best regards, (^^ゞ