Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第10回:LangChainとLlamaIndexって何に使うの?

Hello there, ('ω')ノ

RAGを使いたい。でも、どう作るの?

これまでの記事で、RAGの仕組みやベクトル検索について学んできました。

「社内の情報を読み込ませて、AIに答えさせるなんて夢のよう!」
──と思っても、実際にやろうとすると技術的な壁にぶつかります。

  • ベクトルってどう作るの?
  • 検索ってどう動かすの?
  • LLMとどうつなげるの?

そんなときに登場するのが、LangChain(ラングチェーン)LlamaIndex(ラマインデックス)という便利なツールです。

今回はこの2つのツールが何をするものなのか?どう違うのか?どう役立つのか?をやさしく解説していきます。


まずは前提:「RAGを動かす構成」はこうなっている

RAGでは、大きく以下のような流れで処理が行われます。

① ユーザーの質問  
 ↓  
② 社内データから関連情報を検索(ベクトル検索)  
 ↓  
③ LLM(例:ChatGPT)に回答を生成させる  
 ↓  
④ 回答を返す

LangChainとLlamaIndexは、この一連の処理を“つなぎ”かつ“自動化”するためのツールです。


LangChainとは?〜AIのパーツをつなげる“配線係”〜

LangChain(ラングチェーン)は、LLMを使ったアプリケーションを構築するためのオープンソースフレームワークです。

💡 できること(ざっくり言うと)

  • LLM(ChatGPTなど)を呼び出す
  • 質問や回答の流れ(チェーン)を組み立てる
  • ベクトル検索や外部APIと連携する
  • ツールの組み合わせで「エージェント」的な動作も可能

LangChainを使うと、「検索→生成→回答」という一連の流れを、プログラムとして簡単に構成できるようになります。

🛠 たとえるなら…

🔌 LangChainは、AIを動かすための配線ボードのような存在です。
LLM・ベクトルDB・Web検索・電卓…など、いろんな機能をつなげてくれるのです。


LlamaIndexとは?〜社内データをAIに渡す“通訳係”〜

一方、LlamaIndex(ラマインデックス)は、文書やデータソースをAIに使わせるためのデータ整備ツールです。

💡 できること(ざっくり言うと)

  • PDFやExcel、Wordなどを読み込む
  • データを小さな単位に分割する(チャンク分割)
  • ベクトル化して保存する(ベクトルDBとの連携)
  • 必要な情報をAIに渡す部分を設計できる

つまり、LlamaIndexはRAGで必要な「社内データを検索可能な形に変換して、AIに渡す」部分を担当してくれるわけです。

🛠 たとえるなら…

📘 LlamaIndexは、AIのために資料を読みやすくまとめてくれる“秘書”のような役割です。


違いをまとめて比較!

比較項目 LangChain LlamaIndex
主な役割 処理の流れ(チェーン)の設計 データの準備と検索の最適化
得意分野 各機能の連携、エージェント機能、外部ツール連携 文書の読込、分割、ベクトル化、検索
よく使われる場面 RAG全体の処理制御、UI連携 複雑な文書の読み込み・整理
連携例 OpenAI、Pinecone、Google検索など PDF、SQL、Notion、Google Driveなど

👉 多くの現場では 「LangChain+LlamaIndexの両方」を組み合わせて使うことが一般的です!


どうやって使うの?ノーコードでもできるの?

これらのツールはもともとPythonというプログラミング言語で動きますが、最近はノーコード・ローコードで扱えるツールも増えてきました。

たとえば:

ツール名 特徴
Flowise LangChainをノーコードで組めるビジュアルツール
Langflow LangChainの処理をブロックでつなげて設計可能
LlamaIndex Hub ノーコードでデータ読み込み・RAG構築ができるWebサービス(開発中含む)

▶ プログラミング未経験者でも「ドラッグ&ドロップ」でRAGを体験できる環境が整いつつあります。


実務での使い分け例

部門 LangChainの活用例 LlamaIndexの活用例
情報システム部 社内AIアシスタントのフロー構築 社内ナレッジデータの自動読み込み
法務 契約書レビュー支援フローの自動化 契約文書のチャンク・ベクトル化
営業 顧客質問→提案書生成の自動化 過去事例・商談メモの整理・検索

まとめ:RAGを構築するならこの2つを押さえよう

  • LangChainは、RAGの「処理全体の流れ」を組み立てるツール
  • LlamaIndexは、社内データを「AIが使いやすく変換・提供」するツール
  • それぞれがRAGの中核を担い、組み合わせることで業務に最適なAI活用が可能に
  • ノーコードツールの登場で、非エンジニアでも活用のハードルが下がっている!

Best regards, (^^ゞ