Hello there, ('ω')ノ
RAGを使いたい。でも、どう作るの?
これまでの記事で、RAGの仕組みやベクトル検索について学んできました。
「社内の情報を読み込ませて、AIに答えさせるなんて夢のよう!」
──と思っても、実際にやろうとすると技術的な壁にぶつかります。
- ベクトルってどう作るの?
- 検索ってどう動かすの?
- LLMとどうつなげるの?
そんなときに登場するのが、LangChain(ラングチェーン)とLlamaIndex(ラマインデックス)という便利なツールです。
今回はこの2つのツールが何をするものなのか?どう違うのか?どう役立つのか?をやさしく解説していきます。
まずは前提:「RAGを動かす構成」はこうなっている
RAGでは、大きく以下のような流れで処理が行われます。
① ユーザーの質問 ↓ ② 社内データから関連情報を検索(ベクトル検索) ↓ ③ LLM(例:ChatGPT)に回答を生成させる ↓ ④ 回答を返す
LangChainとLlamaIndexは、この一連の処理を“つなぎ”かつ“自動化”するためのツールです。
LangChainとは?〜AIのパーツをつなげる“配線係”〜
LangChain(ラングチェーン)は、LLMを使ったアプリケーションを構築するためのオープンソースフレームワークです。
💡 できること(ざっくり言うと)
- LLM(ChatGPTなど)を呼び出す
- 質問や回答の流れ(チェーン)を組み立てる
- ベクトル検索や外部APIと連携する
- ツールの組み合わせで「エージェント」的な動作も可能
LangChainを使うと、「検索→生成→回答」という一連の流れを、プログラムとして簡単に構成できるようになります。
🛠 たとえるなら…
🔌 LangChainは、AIを動かすための配線ボードのような存在です。
LLM・ベクトルDB・Web検索・電卓…など、いろんな機能をつなげてくれるのです。
LlamaIndexとは?〜社内データをAIに渡す“通訳係”〜
一方、LlamaIndex(ラマインデックス)は、文書やデータソースをAIに使わせるためのデータ整備ツールです。
💡 できること(ざっくり言うと)
- PDFやExcel、Wordなどを読み込む
- データを小さな単位に分割する(チャンク分割)
- ベクトル化して保存する(ベクトルDBとの連携)
- 必要な情報をAIに渡す部分を設計できる
つまり、LlamaIndexはRAGで必要な「社内データを検索可能な形に変換して、AIに渡す」部分を担当してくれるわけです。
🛠 たとえるなら…
📘 LlamaIndexは、AIのために資料を読みやすくまとめてくれる“秘書”のような役割です。
違いをまとめて比較!
比較項目 | LangChain | LlamaIndex |
---|---|---|
主な役割 | 処理の流れ(チェーン)の設計 | データの準備と検索の最適化 |
得意分野 | 各機能の連携、エージェント機能、外部ツール連携 | 文書の読込、分割、ベクトル化、検索 |
よく使われる場面 | RAG全体の処理制御、UI連携 | 複雑な文書の読み込み・整理 |
連携例 | OpenAI、Pinecone、Google検索など | PDF、SQL、Notion、Google Driveなど |
👉 多くの現場では 「LangChain+LlamaIndexの両方」を組み合わせて使うことが一般的です!
どうやって使うの?ノーコードでもできるの?
これらのツールはもともとPythonというプログラミング言語で動きますが、最近はノーコード・ローコードで扱えるツールも増えてきました。
たとえば:
ツール名 | 特徴 |
---|---|
Flowise | LangChainをノーコードで組めるビジュアルツール |
Langflow | LangChainの処理をブロックでつなげて設計可能 |
LlamaIndex Hub | ノーコードでデータ読み込み・RAG構築ができるWebサービス(開発中含む) |
▶ プログラミング未経験者でも「ドラッグ&ドロップ」でRAGを体験できる環境が整いつつあります。
実務での使い分け例
部門 | LangChainの活用例 | LlamaIndexの活用例 |
---|---|---|
情報システム部 | 社内AIアシスタントのフロー構築 | 社内ナレッジデータの自動読み込み |
法務 | 契約書レビュー支援フローの自動化 | 契約文書のチャンク・ベクトル化 |
営業 | 顧客質問→提案書生成の自動化 | 過去事例・商談メモの整理・検索 |
まとめ:RAGを構築するならこの2つを押さえよう
- LangChainは、RAGの「処理全体の流れ」を組み立てるツール
- LlamaIndexは、社内データを「AIが使いやすく変換・提供」するツール
- それぞれがRAGの中核を担い、組み合わせることで業務に最適なAI活用が可能に
- ノーコードツールの登場で、非エンジニアでも活用のハードルが下がっている!
Best regards, (^^ゞ