Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第3回:従来の生成AIとの違いを理解しよう

Hello there, ('ω')ノ

ChatGPTはすごい。でも“完璧”ではない?

多くの方が、ChatGPTなどの生成AIに感動した経験があると思います。

  • 長い文章を一瞬で要約してくれる
  • 難しい言葉をやさしく言い換えてくれる
  • 文章の構成を整えてくれる

まさに「AIが文章を生み出す」時代が来たことを実感しますよね。

しかし一方で、こんな“モヤモヤ”も感じたことがありませんか?

  • 「AIの回答って本当に正しいの?」
  • 「なんとなく正しそうだけど、出典はどこ?」
  • 「この内容、ウチの会社には合ってない気がする…」

それもそのはず。従来の生成AIは「汎用型」だからです。

今回は、そうした汎用型の生成AIと、RAGを使った生成AIとの違いをわかりやすく解説します。


従来の生成AI:すごいけど“他人ごと”

従来の生成AI(例:ChatGPT)は、膨大なインターネット上の情報で学習されています。
そのため、一般的な知識やパターンには非常に強い反面、個別の事情には弱いという特徴があります。

たとえば…

  • ChatGPTに「交通費の申請方法は?」と聞くと、一般的な会社の例が返ってくる
  • 「A社との契約書の内容は?」と聞いても、自社の情報は知らない

つまり、「誰にでも当てはまる答え」は出せても、「あなたの会社に合った答え」は出せないのです。


RAGを使った生成AI:あなた専用のAIになる

RAG(検索拡張型生成)を組み合わせると、生成AIは「あなたの会社の情報」に基づいて答えるようになります。

つまり、あなたの会社だけの“社内特化AI”が作れるというわけです。

質問 ChatGPT(従来) RAGを使ったAI
「経費精算の方法は?」 一般的な説明 社内マニュアルに基づいた手順を説明
「A社との過去の契約条件は?」 わからない 社内データから該当契約の要点を抽出
「来週の社内イベントって何?」 知らない 社内カレンダーから最新情報を回答

この違い、非常に大きいと思いませんか?


回答の“根拠”が示される安心感

RAGにはもう1つ大きな特徴があります。

それは、AIが「この情報はこのファイルのこの部分から取りました」と答えられるという点です。

これにより、

  • 回答の信頼性が増す
  • 情報の確認や再調査がしやすくなる
  • 間違いがあっても元データに立ち返れる

といった「業務で本当に使えるAI」になります。


具体的な違いをまとめてみよう

比較項目 従来の生成AI(ChatGPTなど) RAGを使った生成AI
学習データ インターネット上の公開情報 + 社内データも取り込む
回答の正確性 不明確(あくまで予測) 根拠のある正確な情報
出典の提示 なし あり(出典元ファイルなど)
カスタマイズ性 低い 高い(部門別・用途別に調整可能)
最新情報への対応 モデルの更新待ち 社内の更新で即時反映可能
セキュリティ 外部データ中心で不安 社内完結も可能(オンプレ導入など)

実際の使い分けイメージ

利用シーン 従来型AIでOK RAG型AIが必要
一般知識の学習
マーケティング文の草案作成
社内業務の説明
社内FAQへの対応
過去の契約確認
経営レポートの自動要約

まとめ:RAGは“現場で使えるAI”の進化形

  • 従来の生成AIはすごいが、「社内対応」は苦手
  • RAGはAIに「社内データ」という“知恵”を授ける仕組み
  • 回答の根拠が示せるため、業務でも安心して使える
  • RAG導入により、AIは「便利なおもちゃ」から「頼れる業務パートナー」へ

Best regards, (^^ゞ