Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

第1回:生成AIの進化とRAGの登場

Hello there, ('ω')ノ

はじめに:生成AIってもう当たり前?

ここ数年で、「ChatGPT」や「Bing AI」など、生成AI(Generative AI)という言葉を耳にする機会がぐんと増えました。
「AIに文章を作ってもらった」「会議の議事録を自動で要約した」そんな体験をした方もいるかもしれません。

実際、文章生成や要約、プログラムのコード補助など、AIが“コンテンツを生み出す”領域では目覚ましい進化が起こっています。
こうした流れは、企業活動にもすでに入り込み始めています。

でも……こう思ったことはありませんか?

  • 「ChatGPTに聞いても、会社のことは答えてくれない」
  • 「自社のドキュメントを参照して答えてほしいのに」
  • 「最新の情報に基づいて回答してくれるの?」

そんな“物足りなさ”を解消する新技術が、今回ご紹介する 「RAG(Retrieval-Augmented Generation)」 です。


なぜ「生成AIだけ」では限界があるのか?

ChatGPTのような生成AIは、過去に学習したデータ(訓練データ)を元に回答を生成しています。
そのため、以下のようなケースでは、どうしても精度や信頼性に限界があります。

  • 企業ごとの内部データ(契約書、業務マニュアル、社内FAQなど)を含まない
  • 最新のニュースや研究には対応できない
  • 専門的すぎる内容には弱い

つまり、いくら優れたAIでも、「知っていること」しか話せないのです。


RAGとは?社内の知識をAIの“脳”にプラスする技術

そこで登場したのが RAG(リトリーバル・オーグメンテッド・ジェネレーション)です。
直訳すると「検索拡張型生成」と呼ばれますが、もっと簡単にいうと、

「AIの“答え”を、あなたの会社のデータをもとに生成させる技術」

です。

RAGは、以下のような2つの仕組みを組み合わせています。

機能 役割
🔍 検索(Retrieval) 社内のPDFや文書などから、関連情報を探す
✍️ 生成(Generation) LLM(例:ChatGPT)が、見つけた情報をもとに回答を作る

つまり、社内データにアクセスできる「AIコンシェルジュ」のような存在を作ることができるのです。


RAGで何ができるようになるのか?

RAGを活用することで、こんな業務が変わっていきます。

  • ✅ 社内ヘルプデスクに質問 → 社内マニュアルから即答
  • ✅ 契約書や技術資料を調査 → ポイントだけ要約してもらう
  • ✅ 専門用語の意味を確認 → 社内定義に基づいた説明が返ってくる
  • ✅ 社員向けQ&A → 過去の事例に基づいた回答を自動生成

これまで人が手作業で調べていたことを、AIが的確に・素早く返してくれるようになります。


「AI+自社データ」の組み合わせが鍵

ChatGPTだけでは実現できなかった、「自社に特化した回答」や「情報の根拠付きの回答」が、RAGによって可能になります。

今後、企業が生成AIを本格的に活用するうえで、

「社内データ × 生成AI」= RAGが不可欠な組み合わせになる

と言っても過言ではありません。


まとめ:RAGで始まる、次のAI時代

  • 生成AIはすでに身近になりつつある
  • しかし“汎用AI”には、自社の情報を答える力はない
  • それを補う技術が「RAG」=検索+生成の組み合わせ
  • RAGで業務の「質問→回答」が大きく変わる
  • AI活用の本質は「知識の活用」にあり、RAGはその鍵

Best regards, (^^ゞ