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サイバーセキュリティ対策は、一部の専門部署だけが実施するものではなく、全従業員が日常業務の中で自然に実行できる仕組みにすることが重要です。
しかし、実際には「セキュリティ対策が面倒」「何をすればいいのか分からない」という理由で、ポリシーが守られず形骸化するケースも多くあります。
NISTサイバーセキュリティフレームワーク(NIST CSF)の「統治(Govern)」機能では、セキュリティの標準(Standard)と手順(Procedure)を明確に定め、業務プロセスに組み込むことが推奨されています。
標準(Standard)と手順(Procedure)の違いとは?
セキュリティポリシーを実効性のあるものにするためには、「標準(Standard)」と「手順(Procedure)」をセットで整備する必要があります。
項目 | 標準(Standard) | 手順(Procedure) |
---|---|---|
目的 | ポリシーを具体的なルールに落とし込む | ルールを実行するための詳細な手順 |
内容 | セキュリティ基準、守るべきルール | 業務の具体的な実施方法 |
例 | 「全社員はPCにMFAを導入すること」 | 「MFAの設定手順:①アプリをインストール ②QRコードをスキャン…」 |
適用範囲 | 全社的、全従業員向け | 特定の部門や業務向け |
更新頻度 | 年単位で変更 | 必要に応じて頻繁に変更 |
💡 標準(ルール)だけでは、どう実行すればいいのか分からないので、手順(実施方法)も明文化することが重要!
なぜ標準と手順が必要なのか?
✅ ポリシーを現場レベルで実行可能にするため
👉 ルールがあっても、具体的な手順が分からなければ実行されない
✅ セキュリティ対策のバラつきをなくすため
👉 従業員ごとに対応が異なると、弱い部分が攻撃の標的になる
✅ 新入社員や外部委託先にも、一貫したセキュリティ対策を適用するため
👉 経験の少ない社員でも迷わず適切な対応ができる
🚨 標準と手順がないと起こる問題
- 「ポリシーには『機密データは暗号化すること』と書いてあるけど、どうやって暗号化すればいいの?」と従業員が混乱する
- システム担当者によって設定基準がバラバラで、一部の端末だけセキュリティ対策が甘い状態になる
- インシデント発生時に対応手順が分からず、復旧が遅れる
💡 「ルールを決めただけ」で終わらせず、「どうやるか」まで明確にすることが重要!
標準と手順を日常業務に組み込む方法(5つのステップ)
① 重要な業務を洗い出す
まずは、どの業務にセキュリティ標準と手順を適用すべきかを特定します。
✅ 優先順位をつけるポイント
- 機密データを扱う業務か?(例:顧客情報の管理、財務データの処理)
- 攻撃のリスクが高い業務か?(例:メールの開封、リモートワーク環境の管理)
- 外部とデータをやり取りする業務か?(例:取引先とのファイル共有、クラウドサービスの利用)
🚀 実践例(対象業務のリストアップ)
業務 | リスクレベル | 標準を適用すべきか? |
---|---|---|
メールの送受信 | 高 | フィッシング対策、添付ファイルの暗号化を標準化 |
リモートワーク | 高 | VPN・MFAの導入を必須化 |
顧客データの管理 | 高 | データの暗号化・アクセス制御を義務化 |
一般的な社内会議 | 低 | 必要なし |
💡 優先度の高い業務から標準と手順を策定し、適用を進める!
② 実行可能な標準(ルール)を定める
次に、業務ごとに具体的なセキュリティ標準(ルール)を設定します。
🚀 実践例(標準の策定)
対象業務 | 標準(ルール) |
---|---|
メールの送受信 | すべての添付ファイルは暗号化し、パスワードを別送する |
リモートワーク | VPNとMFAを使用し、パブリックWi-Fiは禁止する |
顧客データ管理 | クラウド上のデータにはアクセス権限を設定し、不要なデータは削除する |
💡 実務に適した、シンプルで明確な標準を作ることが重要!
③ 手順(実施方法)を明文化する
標準(ルール)が決まったら、実際の手順を具体的に記載します。
🚀 実践例(手順の策定)
対象業務 | 手順 |
---|---|
メールの添付ファイル暗号化 | ① 添付ファイルをZIP暗号化(AES-256) ② パスワードは別メールで送信 |
VPNの設定 | ① 社内ポータルからVPNクライアントをダウンロード ② 指定されたサーバーに接続 |
データ削除 | ① クラウド管理画面から「削除」ボタンをクリック ② 30日以内に完全削除 |
💡 誰でも実行できるように、具体的でわかりやすい手順を作成!
④ 従業員に周知・トレーニングを実施する
✅ 社内ポータルやマニュアルを作成し、いつでも参照できるようにする
✅ 定期的にセキュリティトレーニングを実施し、実践的なスキルを身につける
🚀 実践例
- 「新しいセキュリティ標準を導入しました!」というメールを社内に送付
- 毎月1回、フィッシングメール訓練を実施し、実践的な教育を行う
- ポリシー違反が発生した場合、指導と改善策を提示する
💡 ルールを定めるだけでなく、現場で実行される仕組みを作ることが重要!
⑤ 定期的に見直し・改善する
✅ 実際に運用してみて、使いにくい部分がないかをチェックする
✅ 新しい脅威や業務変更に対応できるよう、定期的に更新する
🚀 実践例
- 半年ごとにポリシーを見直し、新しいリスクに対応する
- インシデント発生時に、対応手順の改善点を記録し、次回に活かす
💡 「作って終わり」ではなく、継続的な改善が必要!
まとめ
✅ 標準(ルール)と手順(実施方法)をセットで作成し、実行可能なものにする
✅ 業務ごとに適用する優先順位を決め、現実的なルールを策定する
✅ 従業員が自然に実行できるよう、周知・トレーニングを実施する
✅ 定期的に見直し、最新のセキュリティリスクに対応できるよう改善する
Best regards, (^^ゞ