Shikata Ga Nai

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10-1:ポリシー作成の第一歩

Hello there, ('ω')ノ

サイバーセキュリティ対策を確実に実行するためには、「ルール(ポリシー)」と「実施手順(プロセス)」を明確に定めることが不可欠です。しかし、「どこから手をつければいいのか?」と悩む企業も多いでしょう。

NISTサイバーセキュリティフレームワーク(NIST CSF)の「統治(Govern)」機能では、組織全体で遵守すべきポリシー(方針)を策定し、それに基づいて具体的なセキュリティ対策を実施することが求められています。


なぜポリシーが必要なのか?

ルールがないと、セキュリティ対策が場当たり的になり、抜け漏れが発生する
従業員が「何をすればよいのか」を理解し、適切な行動を取れるようになる
法規制(個人情報保護法、GDPR、ISO27001 など)への準拠に役立つ

🚨 ポリシーがないと起こりうる問題
- 社員によってセキュリティ意識にバラつきがあり、リスクの高い行動をとる
- サイバー攻撃を受けたときに、対応方針が決まっておらず混乱する
- 顧客データが外部に流出しても、誰が責任を持って対応すべきか不明確

💡 ポリシーがあることで、「何を守るべきか」「誰が何をするのか」が明確になり、組織のセキュリティレベルが向上する!


セキュリティポリシーとは?

セキュリティポリシーは、企業の情報資産を保護するための「基本方針」です。一般的に、次の3つのレベルで構成されます。

レベル 内容
基本方針(トップレベルポリシー) 組織のセキュリティに関する全体的な方針 「当社は情報セキュリティを最優先し、適切な対策を講じる」
管理基準(セキュリティ標準) セキュリティを維持するための基準・ルール 「パスワードは最低12文字以上、MFAを必須とする」
手順(実施プロセス) 日々の業務で実際に行う具体的な手順 「社員が退職する際は、すべてのアカウントを即時無効化する」

💡 トップレベルのポリシーだけでなく、実際の運用まで明文化することで、組織全体で一貫した対策が可能になる!


ポリシー作成のステップ(5ステップ)

① 現状分析 – 何を守るべきかを明確にする

ポリシーを作成する前に、「自社にとって最も重要な情報資産は何か?」を把握する必要があります。

現状分析のポイント

  • どの情報資産(顧客データ、営業秘密、財務情報など)を保護する必要があるか?
  • 現在のセキュリティ対策にどのような課題があるか?
  • 規制や業界標準(GDPR、ISO27001など)への準拠が求められるか?

🚀 実践方法 - IT資産管理ツールを活用し、重要データの洗い出しを行う
- セキュリティリスク評価を実施し、脆弱なポイントを特定する
- 法務部門と連携し、規制対応の必要性を確認する

💡 ポリシー作成の出発点は、「何を守るべきか」を明確にすること!


② 基本方針を決める – 経営層の承認を得る

組織として、情報セキュリティをどのように位置づけるかを決定する
経営層の承認を得ることで、組織全体での実施を促進する

🚀 例:「情報セキュリティ基本方針」

当社は、情報資産を適切に保護するために、全社員が情報セキュリティ対策を遵守し、継続的な改善を行うものとする。

💡 経営層が関与することで、ポリシーの実効性が高まり、組織全体での遵守が促される!


③ 具体的なルール(管理基準)を策定する

基本方針をもとに、具体的なセキュリティルールを作成します。

ポリシー策定のポイント

  • アクセス管理(例:MFAの導入、管理者権限の最小化)
  • データ保護(例:暗号化、バックアップの実施)
  • ネットワークセキュリティ(例:ファイアウォール、VPNの使用)
  • インシデント対応(例:サイバー攻撃を受けた際の手順)

🚀 具体的なポリシー例

カテゴリー ルールの例
パスワード管理 「すべてのパスワードは12文字以上、MFAを必須とする」
USB使用制限 「業務用PCでは、許可されたUSBメモリ以外の使用を禁止する」
データバックアップ 「重要データは毎日バックアップし、クラウドとオフサイトに保存する」

💡 シンプルで実行可能なルールを作ることが重要!


④ 実施手順を定め、社員に周知する

ポリシーを策定しても、現場で実行されなければ意味がありません。実施手順を明文化し、全社員に周知します。

手順を明確化するポイント

  • ポリシーを適用する対象を明確にする(全社員、特定部門、外部委託先など)
  • 具体的な手順をマニュアル化し、社内ポータルに掲載する
  • 定期的なセキュリティ研修を実施し、従業員の理解を深める

💡 ポリシーを「形だけのルール」にしないために、教育・トレーニングを徹底!


⑤ 継続的に見直し、改善を行う

サイバー脅威は日々進化するため、ポリシーも定期的に見直し、最新のリスクに対応できるようにすることが重要です。

改善のためのポイント

  • 半年~1年に1回、ポリシーを見直し、最新の脅威に対応する
  • インシデントが発生した場合、その対応結果を踏まえてポリシーを更新する
  • 新たな法規制や業界基準(GDPR、NIST 2.0 など)をチェックし、必要に応じて修正

💡 「作って終わり」ではなく、定期的にアップデートし続けることが重要!


まとめ

ポリシー作成は、「何を守るべきか」を明確にすることからスタートする
基本方針 → 具体的なルール → 実施手順の順番で策定する
ポリシーは現場で実行されてこそ意味があるため、社員教育と継続的な見直しが重要

Best regards, (^^ゞ