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SQLインジェクションが発生するさまざまなクエリの部分

Hello there, ('ω')ノ

SQLインジェクション(SQLi)は、多くの場合 SELECT クエリの WHERE 句内で発生します。しかし、SQLiはこれに限らず、クエリのさまざまな部分で発生する可能性があります。経験豊富なテスターでも見逃しがちなSQLiの発生ポイントを理解することが重要です。


1. UPDATE 文でのSQLインジェクション

UPDATE 文では、SET 句や WHERE 句の入力値を適切に処理しない場合にSQLインジェクションが発生します。

脆弱なクエリ例:

UPDATE users SET email = '$new_email' WHERE user_id = '$user_id';

もし new_email に次のような入力がされた場合:

test@example.com', is_admin = 1 --

この結果、クエリが次のように変わり、管理者権限を取得できてしまいます。

UPDATE users SET email = 'test@example.com', is_admin = 1 -- ' WHERE user_id = '5';

対策:
- プリペアドステートメント(バインド変数)を使用する - 入力値のバリデーションを行う


2. INSERT 文でのSQLインジェクション

INSERT 文では、挿入される値の部分 にSQLiが発生することがあります。

脆弱なクエリ例:

INSERT INTO users (username, email, password) VALUES ('$username', '$email', '$password');

攻撃者が次のような入力を送信した場合:

test', 'test@example.com', 'password'), ('hacker', 'hacker@example.com', 'hacked

この結果、クエリが次のようになり、攻撃者のアカウントが勝手に作成されます。

INSERT INTO users (username, email, password) VALUES ('test', 'test@example.com', 'password'), ('hacker', 'hacker@example.com', 'hacked');

対策:
- プリペアドステートメントを使用する - 入力値を適切にエスケープする - テーブルの権限を最小限にする(INSERT制限)


3. SELECT 文のテーブル名やカラム名でのSQLインジェクション

通常、SELECT クエリでは WHERE 句の部分にSQLiが発生しがちですが、テーブル名やカラム名の動的な指定 でもSQLiが発生することがあります。

脆弱なクエリ例:

SELECT $column_name FROM users WHERE user_id = '$user_id';

もし column_name に次のような入力がされた場合:

password FROM users; DROP TABLE users; --

クエリが次のように変化し、データベースが破壊される可能性があります。

SELECT password FROM users; DROP TABLE users; -- FROM users WHERE user_id = '5';

対策:
- テーブル名やカラム名を動的に指定する場合、許可リスト(ホワイトリスト)を使用する - ユーザー入力を直接SQLの構造部分に含めない


4. ORDER BY 句でのSQLインジェクション

ORDER BY 句の中でSQLiが発生することもあります。

脆弱なクエリ例:

SELECT * FROM users ORDER BY '$order_by';

攻撃者が次のように入力すると:

id; DROP TABLE users --

これにより、SQLが次のように変わり、データベースが破壊される可能性があります。

SELECT * FROM users ORDER BY id; DROP TABLE users -- ;

対策:
- ORDER BY で使用可能なカラムを許可リストにする
- 直接ユーザー入力をSQL構文に含めない
- プリペアドステートメントを使用する(ORDER BYには一部制約あり)


まとめ

SQLインジェクションは WHERE 句以外にもさまざまな場所で発生する可能性があります。特に、UPDATE、INSERT、テーブル名・カラム名、ORDER BY の部分での脆弱性は見逃されやすいため、意識的にチェックする必要があります。

防御策まとめ
プリペアドステートメントを使用する(最優先)
ユーザー入力を直接SQLの構造部分に含めない
ホワイトリスト(許可リスト)を使用してテーブル名やカラム名を制限
データベースの権限を最小限にする

SQLiを完全に防ぐためには、常に「ユーザー入力がSQLにどのように影響するか?」を考え、適切な対策を実施することが重要です。

Best regards, (^^ゞ