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サイバー攻撃が発生した際、適切な情報共有が行われないと、社内の混乱や誤情報の拡散、顧客や取引先の不信感の増大につながります。特に、データ漏洩やランサムウェア攻撃などの重大なインシデントでは、情報共有の仕方次第で企業の信頼が大きく左右されることになります。
NISTサイバーセキュリティフレームワーク(NIST CSF)の「対応(Respond)」機能では、インシデント発生時における社内外の関係者との適切な情報共有が重要な要素として挙げられています。
なぜ情報共有が重要なのか?
1. 社内の混乱を防ぎ、迅速な対応を可能にする
✅ 関係者に適切な情報が伝わらないと、対応が遅れる原因になる
✅ 不確かな情報が広がると、従業員の不安や業務の停滞を引き起こす
🚨 例:社内情報共有が不十分で対応が遅れたケース
ある企業では、ランサムウェア攻撃を受けた際、IT部門が対応していることが他部門に伝わらず、従業員がPCを再起動したことで感染が拡大。結果的に、被害が拡大し、復旧までに時間を要した。
💡 事前に情報共有のルールを決めておけば、全員が適切な対応を取ることができる!
2. 顧客や取引先の信頼を守るため
✅ 攻撃を受けたことを隠しても、後から発覚すると信用を失う
✅ 適切な情報をタイムリーに提供することで、誠実な対応を示せる
🚨 例:情報公開の遅れで企業の信用が低下したケース
ある企業が個人情報の漏洩を把握しながらも、公表を遅らせた結果、メディアが先に報道し、顧客や取引先の不信感を招いた。その後、SNS上で炎上し、企業イメージが大きく損なわれた。
💡 正しい情報を適切なタイミングで公表することで、信頼を維持できる!
3. 法的義務を遵守し、罰則を回避する
✅ 個人情報が漏洩した場合、規制当局への報告が義務付けられているケースが多い
✅ 報告を怠ると、罰則や訴訟リスクが発生する可能性がある
🚨 例:規制違反で罰則を受けたケース
EUのGDPRでは、個人情報漏洩を72時間以内に報告しなければならないと定められている。ある企業はこれに違反し、数百万ユーロの罰金を科せられた。
💡 各国の法規制を理解し、適切な報告体制を整えておくことが重要!
社内向けの情報共有ルール
① 情報を共有すべき対象者
社内の誰に、どのタイミングで、どの情報を伝えるべきかを明確にすることが重要です。
✅ 主要な関係者と情報共有のポイント
対象 | 役割 | 情報共有のポイント |
---|---|---|
経営陣(CEO・CISO・CIO) | 最終的な意思決定 | 影響範囲、対応状況、法的リスク |
インシデント対応チーム(CSIRT・SOC) | 技術的な調査・対応 | 攻撃の種類、技術的な対処方法 |
IT部門 | システム復旧 | ネットワークやサーバーの状況、影響範囲 |
法務・コンプライアンス部門 | 規制当局・契約対応 | 法的義務、取引先との契約影響 |
広報部門 | 社外対応(顧客・メディア) | 公表タイミング、適切なメッセージの作成 |
一般従業員 | 予防措置・適切な行動 | 被害状況、取るべき行動(パスワード変更など) |
💡 特に、従業員がSNSなどで情報を漏らさないよう、情報統制ルールを事前に決めておくことが重要!
② 社内向けの情報共有フロー
✅ インシデント発生時に、迅速に関係者へ情報を伝える体制を整える
🚀 社内情報共有フローの例
1. IT部門/SOCが異常を検知し、CSIRTに報告
2. CSIRTが初動調査を行い、影響範囲を特定
3. CISO(セキュリティ責任者)が経営陣に状況を報告し、対応方針を決定
4. 必要に応じて、法務・広報・各部門に情報を共有
5. 従業員には、影響範囲に応じた指示を出し、SNSでの情報漏洩を防ぐ
💡 情報が適切な順序で共有されるよう、社内報告フローを明文化しておく!
社外向けの情報共有ルール
① 取引先・顧客への報告
インシデントが顧客や取引先に影響を与える場合、迅速かつ正確な情報を伝える必要があります。
✅ 報告のポイント
- 被害の内容と影響範囲を正確に伝える(誤解を招かないよう慎重に)
- 顧客や取引先が取るべき対応を明示する(パスワード変更、システム更新など)
- 今後の対応方針を伝え、安心感を与える
🚀 例:顧客向けの通知文
「当社のシステムに対する不正アクセスが確認され、一部の顧客データが漏洩した可能性があります。現在、影響範囲を特定し、必要な対策を講じております。お客様には、パスワード変更をお願いするとともに、今後の追加対応について改めてご案内いたします。」
② 規制当局への報告
✅ 各国の法規制に従い、定められた期間内に報告する
✅ 報告内容には、攻撃の詳細・影響範囲・対応策を明記
🚀 主な規制と報告期限
規制 | 対象 | 報告期限 |
---|---|---|
GDPR(EU一般データ保護規則) | 個人データ漏洩 | 72時間以内 |
日本の個人情報保護法 | 個人情報漏洩 | 速やかに報告 |
米国CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法) | 消費者データ漏洩 | 45日以内 |
💡 事前に報告基準を確認し、必要な情報を迅速に提供できる準備を整えておく!
まとめ
✅ 社内向けには、明確な情報共有フローを作り、混乱を防ぐ
✅ 社外向けには、顧客や取引先への適切な報告を行い、信頼を維持する
✅ 規制当局への報告義務を把握し、期限内に対応する
✅ SNSなどでの情報漏洩を防ぐため、社内ガイドラインを策定する
Best regards, (^^ゞ