Hello there, ('ω')ノ
サイバー攻撃が発生した際、組織全体が迅速かつ適切に対応するためには、明確な役割分担と指示系統が不可欠です。インシデント対応が遅れたり混乱すると、被害が拡大し、企業の信頼にも大きなダメージを与える可能性があります。
NISTサイバーセキュリティフレームワーク(NIST CSF)の「対応(Respond)」機能では、インシデント発生時の役割と指示系統を明確にし、スムーズな対応を実現することが求められています。
なぜ対応チームの役割分担が重要なのか?
1. 迅速な対応で被害を最小限に抑える
✅ 役割が明確でないと、対応の遅れや重複作業が発生
✅ 各メンバーが自分の責任範囲を理解していれば、即座に行動可能
🚨 例:役割が不明確だった場合の混乱
- IT部門とセキュリティ部門が「どちらが初動対応を行うのか」で迷い、対応が遅れる
- 広報チームが情報を把握しておらず、顧客対応が後手に回る
- 経営陣がインシデントの深刻度を理解せず、適切な意思決定ができない
💡 明確な役割分担があれば、混乱を防ぎ、素早く適切な対応が可能!
2. 指示系統を明確にし、迅速な意思決定を可能にする
✅ 誰が最終的な判断を下すのかを明確にすることで、対応がスムーズになる
✅ 経営陣と技術チームの連携を強化し、適切な判断を下せる体制を構築
🚨 例:指示系統が不明確で対応が遅れたケース
- 経営陣がIT部門に「対応を待つように」と指示した結果、攻撃が拡大
- IT部門が独自にサーバーを停止し、ビジネス部門に混乱を引き起こす
💡 事前に明確な指示系統を定めておくことで、迅速な対応が可能!
インシデント対応チーム(CSIRT)の構成
CSIRT(Computer Security Incident Response Team)は、サイバーインシデント発生時に対応を指揮する専門チームです。組織の規模に応じて構成を調整できますが、基本的には以下のメンバーで構成されます。
✅ CSIRTの主要メンバーと役割
役職 | 担当者の例 | 主な責任 |
---|---|---|
インシデント対応責任者(IRマネージャー) | CISO、セキュリティ責任者 | 対応全体の指揮・最終判断 |
技術リーダー(SOC担当) | SOC(セキュリティオペレーションセンター) | 技術的な調査・封じ込め |
ITインフラチーム | IT部門・ネットワーク管理者 | システム復旧、バックアップ管理 |
デジタルフォレンジック担当 | セキュリティエンジニア | 証拠収集・攻撃経路の特定 |
広報・法務チーム | 広報部・法務部 | 規制当局・顧客・メディア対応 |
経営陣(意思決定者) | CEO・CIO | 企業戦略レベルの判断 |
一般従業員(初動対応者) | 各部門の従業員 | 不審な活動を報告・対応指示を待つ |
💡 各メンバーが自分の役割を理解していることで、インシデント発生時にスムーズな対応が可能!
インシデント発生時の指示系統と対応フロー
① インシデントの発生と検知
🚀 対応者:全従業員・SOC
✅ SIEM、EDR、NDRなどの監視ツールが異常を検知
✅ 従業員がフィッシングメールや不審な挙動を発見した場合も報告
② 初動対応(影響範囲の特定)
🚀 対応者:SOCチーム・IT部門
✅ 影響を受けたシステムやデバイスを特定
✅ 速やかに攻撃者の侵入経路を分析
③ 緊急対応(封じ込め・影響の最小化)
🚀 対応者:技術リーダー・ITインフラチーム
✅ 感染端末をネットワークから隔離
✅ 管理者権限の変更・不正アクセスの遮断
④ 経営陣への報告と意思決定
🚀 対応者:IRマネージャー・経営陣
✅ 影響の深刻度に応じて事業継続計画(BCP)を発動
✅ 法務・広報チームと連携し、社外対応を準備
⑤ 復旧作業(通常業務の再開)
🚀 対応者:ITインフラチーム・デジタルフォレンジック担当
✅ システムをバックアップから復旧
✅ セキュリティパッチ適用・侵入経路の封鎖
⑥ 事後対応(報告・再発防止策の策定)
🚀 対応者:全チーム
✅ 規制当局や取引先への報告(必要に応じて)
✅ 再発防止策の検討と改善策の実施
💡 インシデント対応は「検知 → 初動対応 → 影響の最小化 → 復旧 → 事後対応」の流れで実施!
指示系統を明確にするためのポイント
✅ 「誰が最終判断を下すのか」を明確にする
→ 例:「ランサムウェア攻撃時、サーバー停止の判断はCISOが行う」
✅ エスカレーションルールを決めておく
→ 例:「レベル3(全社的な影響があるインシデント)は、CEOまで報告する」
✅ 緊急連絡体制を整備する
→ インシデント発生時に、誰にどのように報告すべきかを明文化しておく
✅ 定期的に訓練を実施し、実戦に備える
→ 机上演習(テーブルトップ演習)や疑似インシデント対応訓練を行う
まとめ
✅ インシデント対応チーム(CSIRT)を編成し、役割を明確にする
✅ 指示系統を明確にし、迅速な意思決定ができる体制を整備する
✅ インシデント対応フローを事前に定め、即座に対応できるようにする
✅ 定期的な訓練を実施し、実戦での対応力を向上させる
Best regards, (^^ゞ