Shikata Ga Nai

Private? There is no such things.

7-2:誰が何をする?

Hello there, ('ω')ノ

サイバー攻撃が発生した際、組織全体が迅速かつ適切に対応するためには、明確な役割分担と指示系統が不可欠です。インシデント対応が遅れたり混乱すると、被害が拡大し、企業の信頼にも大きなダメージを与える可能性があります。

NISTサイバーセキュリティフレームワーク(NIST CSF)の「対応(Respond)」機能では、インシデント発生時の役割と指示系統を明確にし、スムーズな対応を実現することが求められています。


なぜ対応チームの役割分担が重要なのか?

1. 迅速な対応で被害を最小限に抑える

役割が明確でないと、対応の遅れや重複作業が発生
各メンバーが自分の責任範囲を理解していれば、即座に行動可能

🚨 例:役割が不明確だった場合の混乱

  • IT部門とセキュリティ部門が「どちらが初動対応を行うのか」で迷い、対応が遅れる
  • 広報チームが情報を把握しておらず、顧客対応が後手に回る
  • 経営陣がインシデントの深刻度を理解せず、適切な意思決定ができない

💡 明確な役割分担があれば、混乱を防ぎ、素早く適切な対応が可能!


2. 指示系統を明確にし、迅速な意思決定を可能にする

誰が最終的な判断を下すのかを明確にすることで、対応がスムーズになる
経営陣と技術チームの連携を強化し、適切な判断を下せる体制を構築

🚨 例:指示系統が不明確で対応が遅れたケース

  • 経営陣がIT部門に「対応を待つように」と指示した結果、攻撃が拡大
  • IT部門が独自にサーバーを停止し、ビジネス部門に混乱を引き起こす

💡 事前に明確な指示系統を定めておくことで、迅速な対応が可能!


インシデント対応チーム(CSIRT)の構成

CSIRT(Computer Security Incident Response Team)は、サイバーインシデント発生時に対応を指揮する専門チームです。組織の規模に応じて構成を調整できますが、基本的には以下のメンバーで構成されます。

CSIRTの主要メンバーと役割

役職 担当者の例 主な責任
インシデント対応責任者(IRマネージャー) CISO、セキュリティ責任者 対応全体の指揮・最終判断
技術リーダー(SOC担当) SOC(セキュリティオペレーションセンター) 技術的な調査・封じ込め
ITインフラチーム IT部門・ネットワーク管理者 システム復旧、バックアップ管理
デジタルフォレンジック担当 セキュリティエンジニア 証拠収集・攻撃経路の特定
広報・法務チーム 広報部・法務部 規制当局・顧客・メディア対応
経営陣(意思決定者) CEO・CIO 企業戦略レベルの判断
一般従業員(初動対応者) 各部門の従業員 不審な活動を報告・対応指示を待つ

💡 各メンバーが自分の役割を理解していることで、インシデント発生時にスムーズな対応が可能!


インシデント発生時の指示系統と対応フロー

① インシデントの発生と検知

🚀 対応者:全従業員・SOC
✅ SIEM、EDR、NDRなどの監視ツールが異常を検知
✅ 従業員がフィッシングメールや不審な挙動を発見した場合も報告

② 初動対応(影響範囲の特定)

🚀 対応者:SOCチーム・IT部門
✅ 影響を受けたシステムやデバイスを特定
✅ 速やかに攻撃者の侵入経路を分析

③ 緊急対応(封じ込め・影響の最小化)

🚀 対応者:技術リーダー・ITインフラチーム
✅ 感染端末をネットワークから隔離
✅ 管理者権限の変更・不正アクセスの遮断

④ 経営陣への報告と意思決定

🚀 対応者:IRマネージャー・経営陣
✅ 影響の深刻度に応じて事業継続計画(BCP)を発動
✅ 法務・広報チームと連携し、社外対応を準備

⑤ 復旧作業(通常業務の再開)

🚀 対応者:ITインフラチーム・デジタルフォレンジック担当
✅ システムをバックアップから復旧
✅ セキュリティパッチ適用・侵入経路の封鎖

⑥ 事後対応(報告・再発防止策の策定)

🚀 対応者:全チーム
✅ 規制当局や取引先への報告(必要に応じて)
✅ 再発防止策の検討と改善策の実施

💡 インシデント対応は「検知 → 初動対応 → 影響の最小化 → 復旧 → 事後対応」の流れで実施!


指示系統を明確にするためのポイント

「誰が最終判断を下すのか」を明確にする
→ 例:「ランサムウェア攻撃時、サーバー停止の判断はCISOが行う」

エスカレーションルールを決めておく
→ 例:「レベル3(全社的な影響があるインシデント)は、CEOまで報告する」

緊急連絡体制を整備する
インシデント発生時に、誰にどのように報告すべきかを明文化しておく

定期的に訓練を実施し、実戦に備える
→ 机上演習(テーブルトップ演習)や疑似インシデント対応訓練を行う


まとめ

インシデント対応チーム(CSIRT)を編成し、役割を明確にする
指示系統を明確にし、迅速な意思決定ができる体制を整備する
インシデント対応フローを事前に定め、即座に対応できるようにする
定期的な訓練を実施し、実戦での対応力を向上させる

Best regards, (^^ゞ