Shikata Ga Nai

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ペネトレーションテストの手法とフェーズについてまとめてみた

Hello there, ('ω')ノ

ペネトレーションテスト(ペンテスト)は、システムやネットワークのセキュリティを評価するための重要な手法です。ペンテストは、攻撃者の視点からシステムの脆弱性を特定し、実際に攻撃を試みることで、その影響とリスクを評価します。以下に、ペンテストの主要なフェーズと具体的な手法について説明します。

1. 情報収集(Reconnaissance)

目的: テスト対象のシステムやネットワークに関する情報を収集し、潜在的な脆弱性を特定する準備を行います。

手法:

  • パッシブ情報収集: ターゲットに対して直接的な接触を避け、インターネット上の公開情報を収集します。

    • WHOIS検索: ドメインの登録情報を取得。
    • DNSレコード調査: ドメインのDNSレコードを取得。
    • OSINTツール: Shodan、Recon-ngなどを使用して公開情報を収集。
  • アクティブ情報収集: ターゲットシステムに直接アクセスして情報を収集します。

    • ポートスキャン: Nmapを使用して開いているポートをスキャン。
    • バナーグラブ: サービスのバナーを取得してバージョン情報を確認。
    • ネットワークマッピング: ネットワークのトポロジーを特定。

2. 脆弱性分析(Vulnerability Analysis)

目的: 収集した情報を基に、システムの脆弱性を特定し、評価します。

手法:

  • 自動化ツールの使用:

    • Nessus: ネットワークとシステムの脆弱性をスキャン。
    • OpenVAS: オープンソースの脆弱性スキャナー。
    • Burp Suite: Webアプリケーションの脆弱性を分析。
  • 手動分析:

    • ソースコードレビュー: アプリケーションのソースコードをレビューして脆弱性を特定。
    • 構成レビュー: サーバーやネットワーク機器の設定を確認して脆弱性を特定。

3. エクスプロイト(Exploitation)

目的: 発見された脆弱性を実際に攻撃して、その影響を評価します。

手法:

  • エクスプロイトツールの使用:

    • Metasploit: 既知の脆弱性に対するエクスプロイトを実行。
    • SQLmap: SQLインジェクション脆弱性をエクスプロイト。
    • Hydra: ブルートフォース攻撃を実行して認証情報を取得。
  • カスタムエクスプロイトの開発:

    • 脆弱性に対して特定のエクスプロイトコードを作成し、攻撃を実行。

具体例:

  • SQLインジェクション: SQLmapを使用して、データベースに対する不正アクセスを試みる。
    • コマンド例: sqlmap -u "http://example.com/vuln.php?id=1" --dbs
  • バッファオーバーフロー: Metasploitを使用して、対象システムのバッファオーバーフロー脆弱性をエクスプロイト。
    • コマンド例: msfconsole > use exploit/windows/smb/ms17_010_eternalblue

4. ポストエクスプロイト(Post-Exploitation)

目的: システムに対する制御を確立し、攻撃の影響範囲を評価します。

手法:

  • 持続的なアクセスの確立:

    • バックドアの設置: システムにバックドアを設置し、再度アクセスできるようにする。
    • ペイロードの展開: 追加のペイロードを展開して持続的な制御を確立。
  • 内部ネットワークの探索:

    • 内部ネットワークのマッピング: 内部ネットワーク内の他のシステムを探索。
    • 権限昇格: 低権限アカウントから管理者権限を取得。

具体例:

  • バックドアの設置: Metasploitを使用して、対象システムに持続的なバックドアを設置。
    • コマンド例: msfconsole > use exploit/windows/local/persistence
  • 権限昇格: 権限昇格エクスプロイトを使用して、管理者権限を取得。
    • コマンド例: msfconsole > use exploit/windows/local/ms15_051_client_copy_image

5. 報告と推奨事項(Reporting and Recommendations)

目的: テスト結果を整理し、脆弱性の詳細と修正方法を報告します。

手法:

  • 詳細なレポート作成:

    • 脆弱性の概要: 発見された脆弱性の種類、場所、影響度を記載。
    • 再現手順: 脆弱性を再現するための詳細な手順を提供。
    • 修正方法: 脆弱性を修正するための具体的な推奨事項を記載。
  • プレゼンテーション:

    • 経営層向けの報告: 非技術的な関係者向けに、脆弱性の影響と対策を分かりやすく説明。
    • 技術チーム向けの詳細報告: 技術的な詳細と具体的な修正手順を提供。

具体例:

  • レポートの構成:

    1. 概要: テストの目的と範囲。
    2. 発見された脆弱性: 各脆弱性の詳細、影響度、再現手順。
    3. 推奨事項: 脆弱性の修正方法、予防策。
  • プレゼンテーションのポイント:

    • 脆弱性の重要性を強調: 発見された脆弱性がビジネスに与える影響を強調。
    • 修正の優先順位: 重要度に基づいて修正の優先順位を提案。

まとめ

ペネトレーションテストは、情報収集、脆弱性分析、エクスプロイト、ポストエクスプロイト、報告と推奨事項の5つのフェーズで構成されます。各フェーズで適切な手法とツールを使用することで、システムやネットワークの脆弱性を効果的に特定し、その影響を評価することができます。ペンテストの結果を基に、具体的な修正方法と予防策を提案することで、全体的なセキュリティを向上させることが可能です。

Best regards, (^^ゞ